Shinnikkei News 2009 年 3 月 19 日
防火設備個別認定の不適切な取得および防火認定仕様と異なる仕様の製品を
販売いたしました件に関する再発防止策等に関するお知らせ
 新日軽株式会社 [ 本社 : 東京都江東区 社長 : 中嶋 豪 ] は、平成 21 年 1 月 8 日に公表した 「 防火設備個別認定の不適切な取得および防火認定仕様と異なる仕様の製品を販売いたしました件 」 ( 以下 「 本件問題 」 という。) に関して、再発防止対策委員会等および調査チームを設置して実態調査を行い、原因究明、責任者の処分および今後の再発防止策を策定し、平成 21 年 3 月 18 日付で、国土交通省に報告いたしましたので、その概要を下記のとおりお知らせいたします。
  本件問題に関しましては、お施主様やお取引先様など多くの関係者の方々に多大なご迷惑とご心配をおかけいたしましたことを深くお詫び申しあげます。

1. 調査および再発防止策策定の経緯

  再発防止対策委員会とその下部組織の詳細については、平成 21 年 1 月 16 日に公表した 「 防火設備個別認定の不適切な取得および防火認定仕様と異なる仕様の製品を販売いたしました件に関する再発防止に向けての推進体制構築について 」 のとおりである。

  また、本件問題の事実関係の調査に当たっては、より透明性の高いものとすべく、当社の常勤監査役のほか、社外から親会社の日本軽金属(株)の法務担当部門と品質保証担当部門、第三者として弁護士を加えたメンバーから構成される調査チームを設置した。調査チームは、関係者 ( 退職者を含む ) へのヒアリング、社内資料による確認等の調査を進め、本件問題の経緯の把握および原因究明を行った。

  次いで、調査チームの調査結果を踏まえ、再発防止対策委員会の下部組織である再発防止策策定部会が再発防止策を策定した。

 

2. 本件問題の経緯と原因究明

 当社調査チームの調査により判明した事実関係は、次のとおりである。

.咼詬兌脂サッシの共同開発の開始

 ビル用樹脂サッシは、平成 16 年 5 月に、三協アルミニウム工業(株)・立山アルミニウム工業(株) ( 現在両社は統合し、三協立山アルミ(株)。以下 「 三協立山 」 という。)、(株)シャノン ( 現(株)エクセルシャノン、以下 「 シャノン 」 という。) および当社の 4 社が共同開発契約を締結し、開発を開始した。開発は、4 社の開発担当者で構成される 「 開発部会 」 で行われた。

⊂ξのスキーム決定と共同出資会社 ( (株) PSJ ) の設立

 平成 16 年 10 月に 4 社による基本協定が締結され、(株) PSJ の設立・運営、ビル用樹脂サッシに関する商流のスキーム等が決定された。
 まず、生産工場はシャノンの栗山工場 ( 北海道 ) と当社の苫小牧工場 ( 北海道 ) の 2 工場体制とした。また、4 社の共同出資により(株) PSJ を設立 ( 平成 16 年 11 月設立 ) し、この(株)PSJ が上記 2 工場にビル用樹脂サッシを発注し、購入した製品を 4 社に販売する商流とした。
 一方、ビル用樹脂サッシの開発については、平成 16 年 7 月に基本設計が完了し、9 月からは本格的に性能評価試験の準備が行われた。

K媛佛定取得手続の開始

 ビル用樹脂サッシの防火認定取得手続は以下の流れで行われる。

(1) 性能評価申請書を財団法人日本総合試験所 ( 大阪府吹田市 ) に提出する。

(2) 同試験所に試験体を持込み、燃焼試験 ( 性能評価試験 ) を受ける。20 分持てば合格である。

(3) 同試験所から性能試験成績書が送付される。

(4) 試験に合格していれば、国土交通省から認定書が送付される。

  平成 16 年 11 月から 8 品目のビル用樹脂サッシについて防火申請手続を開始した。

せ邯蛎里了斗佑鮴能評価申請書の仕様から変更した経緯

  開発部会に参加していた当社の開発担当者は、性能評価申請書の仕様では試験合格は困難であり、燃焼試験用の試験体では仕様変更を行う必要があると認識していた。また、他 3 社の開発担当者も同様に認識していたものと思われる。

  よって、4 社の開発担当者の合意により試験体を合格可能なものにすべく、性能評価申請書と異なる仕様に変更することが行われた。

  当社の開発担当者は、以上の仕様変更を社内で報告しておらず、当社の内部でも開発担当者を信頼して、ビル用樹脂サッシの性能評価申請書や試験体の仕様の妥当性をチェックすることは全く行われていなかった。

  8 品目の試験は平成 16 年 12 月から平成 17 年 7 月にかけて合格し、平成 17 年 4 月から同年 11 月にかけて認定書を取得した。認定書の仕様は性能評価申請書の仕様と同じである。

セ邯街膤文紊寮源沙斗佑侶萃

  試験合格後の開発部会では、生産仕様書の作成が行われた。

  通常の自社開発製品の場合は、認定書をもとに生産仕様書を作成する過程において、認定書の仕様との整合性と安全性の確認を、基本設計書 ( 製品の性能・材質・構造を表すもの ) と最終的な生産仕様書 ( 製品を部品・部材レベルに分解したもの ) の決定時に行っている。なお、これらの確認は品質保証部門、工場責任者も立ち会っている。

  しかしながら、ビル用樹脂サッシは共同開発製品であるため、生産仕様書の作成までの工程はすべて(株) PSJ の開発部会の活動として行われており、自社開発製品の場合に行われる認定書の仕様と生産仕様書の仕様との整合性の確認を当社は行うことはなかった。

 当社の開発担当者は、工場担当者に性能評価申請書や試験体の仕様のことを知らせておらず、工場担当者が認定書の仕様、試験体の仕様および生産仕様書の仕様の相異を認識することはなかった。

δ媛断定 ( 片引きタイプ ) 取得

  平成 19 年にビル用樹脂サッシの認定品として 9 番目の品目である片引きタイプの防火認定取得手続が行われ、同年 10 月性能評価試験合格、平成 20 年 7 月認定取得となった。

  片引きタイプは類似性の強い引き違いタイプのデータを活用して仕様が決められ、引き違い同様に、試験に受かるための試験体の変更が行われた。

 

3. 原因分析

ヽ発担当者の焦りと法令遵守意識の欠如

  今回のビル用樹脂サッシの開発においては、樹脂に防火性能を持たせることが各社開発担当者の課題であり、各社開発担当者の共同作業により 4 社共通の試験体を製作し、試験が行われた。

  この開発に携わった当社ビル建材事業本部の開発担当者は、性能評価申請書の仕様と異なる仕様による試験体を使って受験することが違法行為であることを認識していた。

  しかしながら、短い開発期間で認定を取得し販売を開始しなければならないという焦りがある中で、4 社共同開発の歩調を合わせることと、4 社共同行為による責任分散という意識や試験体が燃えてなくなるという事実認識も加わり、法令遵守意識を欠いたまま当該違法行為が行われてしまったものと推察される。

共同開発製品に対する社内のチェック機能・牽制機能の不全

  今回のビル用樹脂サッシの仕様決定に関与した当社の従業員はごく一部の開発担当者のみであり、その判断や行動を組織的に止めたり、軌道修正することが行われなかった。

  これは、この樹脂サッシの開発が 4 社で役割分担を決め、各社が保有する技術、ノウハウ、経験を結集して進めるもので、開発会議も当社本社とは別な場所で行われるなど、当社オリジナル製品では行われるべき開発過程での社内チェックは行われず、開発担当者に任せきりになっていた。

  従って、ビル用樹脂サッシの開発に関しては、当社単独でのチェック機能・牽制機能が働かなかったことは明白である。

コンプライアンス意識の希薄さ

  関係者のヒアリングや関係資料から、今回の違法行為は、4 社共同開発という特殊事情があったにせよ比較的下位役職である課長・係長レベルの開発担当者が自らの判断だけで行った可能性が高いが、その背景には、ビル建材事業部門の責任者や営業等の他部門の従業員に法令遵守に対する認識・理解の不足が見られ、こうした違法行為を看過してしまったものと推察される。

  また、今回の違法行為が行われた当時、当社のコンプライアンスへの取組みとしては、内部通報制度の設置等一応の整備がなされていたが、従業員のコンプライアンス意識の醸成のための教育・啓蒙活動等は十分に行われているとは言い難い状況であった。

 

4. 責任者の処分

  本件問題に関し責任を明確にするため、すでに経営トップの管理責任について処分を実施しているが、その他本件問題に直接関与した、問題を認識すべき立場にありながら放置した、もしくは監督責任を負うべき立場にあった者については、上記原因究明を踏まえ 「 賞罰委員会 」 等にて処分を決定する。

 

5. 再発防止策

〔 1 〕緊急対策

’定製品に関する権限の品質保証部門への一本化【原因分析の項目 2. への対策】

  防火認定製品を含めた公的な認定製品について、権限が曖昧であったものを、事業部の品質保証部門が管理責任者とすることを明確にした。( 平成 21 年 2 月実施 )

∨媛佛定製品に関する緊急品質総点検の実施

  防火認定製品に関する全製品の緊急品質総点検を実施し、平成 21 年 1 月 15 日に国土交通省に報告した。

K[畊崕会の実施【原因分析の項目 1. と 3. への対策】

  管理建築士を講師として、防火材料認定制度に重点をおいた建築基準法に関する講習会を実施する。( 平成 21 年 2 月 28 日に第 1 回を実施 )

〔 2 〕恒久対策

”兵訴歉敝瑤寮瀉屐攜彊分析の項目 2. への対策】

  現在の社長直轄の品質保証室と各種試験および技術基準の管理等を行っている技術部門の一部機能を統合し、品質保証部とする。同部は事業部品質保証部門への指導を強化し、認定製品を一元管理するとともに、各事業部に対し 「 出荷停止、監督および是正命令権限 」 を有する。( 平成 21 年 4 月実施予定 )

認定製品の開発に関する認証プロセス・手順の明確化【原因分析の項目 2. への対策】

  認定製品の認定申請から性能試験、認定書受理、生産指示書の作成までの手順と承認ルールを明確にした新規則 「 公的認定製品管理規則 」 を制定する。( 平成 21 年 3 月実施予定 )

6ζ嘘発に関するチェックルールの明確化【原因分析の項目 1. と 2. への対策】

  社内における製品の設計開発については、社内規則により、設計検証、性能評価試験等のチェックルールを整備していた。しかしながら、ビル用樹脂サッシのような共同開発製品についてはそのルールの適用が曖昧であったため、以下の内容を骨子とする新規則 「 共同開発管理規則 」 を制定する。( 平成 21 年 3 月実施予定 )

(1) 共同開発における法令遵守および責任体制の明確化

(2) 共同開発における新日軽(株)組織内での責任体制および社内検証ルール適用の明確化

(3) 事業部品質保証部門による運用状態の確認

に媛亟慙技術・プロセスの適正性の確保【原因分析の項目 2. への対策】

(1) 防火関連技術の向上と技術相談窓口・機関の設定

(2) 事業部品質保証部門による防火プロセスの監査

(3) 管理建築士による教育の継続

ゥ灰鵐廛薀ぅ▲鵐溝崟の強化【原因分析の項目 1. と 3. への対策】

(1) コンプライアンス推進組織の機能の明確化

(2) 法令遵守事項の明確化と教育

(3) コンプライアンス行動指針の制定

(4) コンプライアンス誓約の義務づけ

(5) 内部通報制度の充実

(6) コンプライアンスミーティングの実施

 

以上
記載されている内容は、2009 年 3 月 19 日現在のものです。
最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。