Shinnikkei News 2009 年 11 月 26 日
省エネ性、安全性を実現した高層ビル向け新ゲートシステム「超軽量多機能二重扉」
上海環球金融中心に世界初設置、11月30日より運用開始

  新日軽株式会社 [本社:東京都江東区南砂2-7-5社長:中嶋 豪]は、本年2月に共同開発した、省エネルギー性、安全性の強化を実現した高層ビル向け新ゲートシステム「超軽量多機能二重扉」が森ビルグループが運営する中国・上海市浦東新区陸家嘴地区の超高層複合ビルプロジェクト「上海環球金融中心」(英文名称:Shanghai World Financial Center)に、世界で初めて設置されましたのでお知らせいたします。

  この「超軽量多機能二重扉」は、新日軽株式会社、ナブテスコ株式会社、ナブコシステム株式会社、パナソニック電工株式会社、森ビル株式会社が各社のノウハウや技術を結集して共同開発したものです。高層ビル内におけるドラフト現象(※1)の抑制効果が高いことから、世界最高層(101階建/高さ492m)の上海環球金融中心の一部(※2)に設置されることになりました。ドラフト現象が強くなる厳冬期を控え、11月30日より実用化第1号の運用が開始されることになりました。


(※1)ドラフト現象:主に高層ビルにおいて、室内外の温度差、上下階の気圧差が大きくなることにより、エレベータシャフトや階段室、
  アトリウムなどの吹き抜けに上昇気流が発生し、エレベータドアやビル内のスライド式・スウィング式のドアが開きにくくなったり、
  逆に勢いよく閉まるといった現象が生じる
(※2)上海環球金融中心内での設置場所は、1階車寄せ、商業施設入口、地下1階サンクンガーデンの3カ所

左:「上海環球金融中心」(Shanghai World Financial Center)外観
上: 1階車寄せに設置された超軽量多機能二重扉

※扉のデザインは「上海環球金融中心」の外観をイメージしています

■機構詳細


入館システム
 ① 通行方向サイン(A)が[○]および進入許可サイン(B)が青点灯しているゲートに進みます
 
 ② 入扉(C)が開きます
 
 ③ 風除室(D)内に進むと入扉(C)が閉まり、出扉(E)が開きます
                                                ※風除室内では音声ガイドで誘導
 ④ 入館します


■ 新ゲートシステム「超軽量多機能二重扉」の主な特長


◇ 省エネルギー性


・ 二重自動扉構造(インターロック制御※3 )がドラフト現象を抑制

  ⇒風除室効果により、ビル内の冷暖房効率が向上(省エネ効果の向上)



◇ 安全性


・ 可動部分(扉)の超軽量化により安全性を向上(既存の同サイズの扉重量の約30%減)

・ 光電センサをGLから15cm、60cmの2カ所に設置、車いすやベビーカーの方も安全に通行できます。

・ 扉稼働部分隙間を最小(1.5mm)に設計、扉突き合わせ部にクッション性の高いゴムを使用し、
  さらに光電センサを縦に設置。光電センサが障害物を感知すると、扉は閉まることがなく、指詰め
  防止対策を徹底しています


(※3)インターロック制御:二重自動扉構造において、常に一方の扉のみが開き、同時に入扉・出扉が開くことがない機構。風除室効果を高め、
  ビル内温度や気圧の変化を抑制する。



◇ 仕様


気密性 A-2等級(30m³/h・m² 10pa) 以上 ※4性能試験により確認
耐風圧性能 ±2000pa(締り金物併用)  ※4性能試験により確認
耐久性 100万回耐久性試験異常なし、200万回に向け継続中
衝撃力 400N以下を測定により確認

(※4)二重扉の片側扉のみで上記性能を有する



■ 関連各社の役割分担


(※5)上海環球金融中心に設置する超軽量多機能二重扉には、認証システムは使用しておりません



▽ 営業・製品に関するお問い合わせ先

ビル建材本部   小西 TEL 03(5677)8642

記載されている内容は、2009 年 11 月 26 日現在のものです。  
最新の情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。