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  世界のドア事情シリーズ オランダ編

世界のドア事情シリーズ オランダ編 2008年の今年は、日本とオランダの外交樹立150周年。そして来年は二国間の通商関係が400周年を迎えます。そこでこの2年間を「日本オランダ年08‐09」として、祝賀行事を行うのだそうです。古くからのお付き合いなんですね。オランダというと、日本でも人気の絵本作家、ディック・ブルーナーの出身国でもあります。ミッフィーの生みの親といえば皆さん分かりますよね? ブルーナーの出身地であるユトレヒトではミッフィー像が建っていたり、信号機のシルエットが人ではなくミッフィーの形になっていたりと母国でも人気です。


 そんな小さな可愛らしいキャラクター発祥の国ですが、オランダの成人男性の平均身長は186センチ、女性が174センチで、なんと統計上世界で一番背が高いのです。ですから玄関の呼び鈴やドアに付いている覗き穴など、家の造りが日本と比べてずいぶん高い位置になっています。私たちが生活するには少し大変そうですね。


 また、玄関ドアが上下二段に仕切られていて、別々に開閉する「ダッチドア」も有名です。意味はそのまま「オランダのドア」です。どちらか一方のドアを開けると窓の役割をし、両方のドアを開けると人が通れます。気候上、夏場も日本のような猛暑にならないオランダでは、一般家庭のほとんどがエアコンを使用しません。その代わりにドアにも窓の役割をさせて風通しを良くしたのだそうです。2000年に世界遺産に登録された、ヘリット・トーマス・リートフェルト設計のシュレーダー邸(1924年築造)の玄関ドアも、このダッチドアを使用しているそうです。現在はガイドツアー(要予約)のみで見学ができ、観光の名所として大事にされています。


 ちなみに、その昔、間口の大きさで税金を決める制度があったことから、間口が非常に狭い住宅が一般的でした。大柄なオランダの人にとっては大変なことだったでしょうね。その後、制度は廃止になりましたが、伝統的な価値や歴史を重んじる国民性から、今でも間口の狭い住宅や
レンガ造りの家など、古い様式を持つ建築物が数多くが残っています。


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