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  表札は日本オリジナル?

表札は日本オリジナル? 玄関に必ずある表札。昔ながらの木製や、洋風住宅に合わせたガラス製のものなど、小さくても住まいの印象を左右する、大切な存在です。この表札、日本で普及し始めたのはいつごろなのでしょうか?


 意外にも、そのきっかけは大正12(1923)年に発生した関東大震災だといわれています。被災した人たちは家を建て直したり、その場から離れて移り住んだりと、それまで人々の頭の中に刻み込まれていた街の様相がすっかり変わってしまいました。そこで家ごとに「この家には私たちが住んでますよ!」と表すために名前を掲げる人が多くなり、首都圏では、表札は無くてはならないものとなったそうです。


 また、一方で明治時代から郵便制度が始まり、配達人が、その家に住む人の名前を把握できるようにと、住所だけでなく、家族全員の名前を記したいわゆる「家族表札」という形態の表札が普及していった経緯もあるようです。


 ただ、昨今は個人の情報を明らかにすることに慎重になり、単に名字だけの表札としたり、表札を掲げない家庭も多くなりました。


 では、海外ではどんな表札を使っているのでしょうか。アメリカやオーストラリアなど欧米諸国では、配達人のためにポーチ(玄関)や郵便ポストに、ハウスナンバーと呼ばれる日本の番地のような数字を、名前の代わりに掲げます。配達人は住所やハウスナンバーで管理して配達しているため、ナンバーがあれば名前を掲げる必要がありません。つまり表札はないのです。


 これは、アメリカなどではひとつの家に定住する観念があまりなく、その時々のライフスタイルに合わせて頻繁に引越しをするため、建物は住んでいる人の名前より、ハウスナンバーで把握したほうが何かと便利なのでしょう。
私たち日本人にはすっかり見慣れた名字と名前が書かれた表札ですが、
世界的には実はとても珍しい、独特の文化のようです。


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