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  ご当地玄関置き物セレクション

ご当地玄関置き物セレクション  今回は夏休み気分で、玄関まわりのご当地置き物ツアーに出かけましょう。


●福岡 猿のお面
 福岡では、猿は「去る」に通じることから、「災いが去る」「幸福が訪れる」として玄関など入り口に、猿のお面を掛けて縁起をかつぐ風習があります。このお面は、福岡市内の猿田彦(さるたひこ)神社で毎年「庚申(かのえさる)の日」に販売されています。庚申の日は、早朝から境内をぐるりと囲むほどの多くの人が、お面を求めて並びます。毎年、玄関に新しいお面に掛け替えていくのですが、ひとつひとつ職人さんの手作りのため、よく見ると表情が違っていたり、その年ごとに少しずつデザインも異なっているので、お面をずらーっといくつも飾って楽しんでいるお宅もあるのだそうです。


●岐阜 馬の絵
 高山など飛騨地方では、「飛騨絵馬」を玄関に飾ります。絵馬というと、神社などで祈願するための板を思い浮かべますが、ここでは文字の通り、紙に描かれた「馬の絵」。米俵や宝物などおめでたいものを背負った馬の絵を、福が内に入ってくるように頭を家の中へ向けて玄関に飾ります。昔、この地の人たちの多くは牛馬で生計を立てていたため、牛馬の安全や稼ぎを願って絵馬を厩(うまや)に貼っていました。今では馬の絵の周りに家内安全、商売繁盛、無病息災などの朱印をおした縁起物となっています。同じ飛騨地方でも場所によっては、ワラで作られた馬の人形を玄関に飾るお宅もありますが、やはり馬がポイントのようです。


●青森 金魚ねぶた
 日本屈指のお祭り「青森ねぶた」は、毎年8月2〜7日に行われます。ねぶたの季節になると、各家庭では金魚の飾りを門口に立てます。竹の骨組みに色付けした半紙を貼ってあり、中にローソクを入れて灯します。これは「金魚ねぶた」といい、地元産の「津軽錦」という金魚がモデル。丸い体型と立派な尾びれ。そして背びれがないのが特徴です。夜になると、この灯籠の下に水を入れたタライなどを置き、水に映る様を見ながら、巡ってくるねぶたを楽しみに待つのがならわし。東北の短い夏を存分に楽しもうという想いが伝わります。家々でゆらゆらと明かりが揺れてとてもきれいな光景は、ちょっと幻想的ですね。


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