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  おまじない? お浄め? 玄関の盛り塩は何のため

おまじない? お浄め? 玄関の盛り塩は何のため  お店や旅館、ある時は一般のご家庭の玄関にこんもりと盛られている塩、なんのためだかご存知でしょうか?


 この盛り塩、起源のひとつは、中国の晋の時代にあると言われています。故事によると当時、絶対的な権力を持っていた皇帝には多くの妻がいて、毎夜彼女たちの家を牛車で渡り歩いていました。通い婚という当時の慣習です。皇帝は牛が止まった所をその夜の宿にしていたため、ある女性は皇帝を乗せた牛車が自分の家の前で止まるようにと、牛が好きな塩を戸口に盛っておきました。案の定、牛は足を止めて塩を舐め続け、動こうとしません。すると皇帝は「今夜はここで」とその女性の部屋を訪れ、彼女は皇帝の寵愛を一身に集めることが出来たというのです。


 このお話が日本に伝わり、盛り塩は客を招く、福を招くと考えられるようになり、一般に広まったそうです。こうして現在でも、料理屋や旅館、寄席など、伝統的なお店や建物では、掃き清めた門口の両脇に塩を小さく盛って、縁起を担いでいます。


 さて一方塩は、もともと神社でお清め、お祓い、お供えなどの神事に用いられてきました。相撲で力士が土俵に塩を撒くのも清めの意味があります。この習慣から、一般の家ではその土地の厄や邪気を祓い、気を浄化するために盛り塩を玄関などの入り口に置く、という考えもあります。場所は内側、外側どちらでも決まりはありません。精製された塩ではなく、天然の海水の成分に近い粗塩を使うと良いという方もいます。


 盛り塩は置きっぱなしにならないように、月に2回程度、定期的に新しいものに取り替えます。塩が崩れたり、塩や周辺が汚れたら、そのつどこまめに新しくする方がよいとされます。また交換後の塩は使い回しせずに、処分するのもならわしです。 呼び名は「盛り塩」が一般的ですが、
他にも清め塩、盛り花、塩花、口塩(くちじお)など、いろいろあるようです。


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