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  ブザー式呼び鈴はいつから?

ブザー式呼び鈴はいつから? 現在、訪問者を迎えるにはインターホンが主流。カメラ付きのものも普及していますが、そういったものがない時代はどうしていたのでしょうか? 今どきのハイテクインターホン以前は、電気で音が鳴るブザー式の呼び鈴が一般的でした。インターホンのように会話はできません。普及したのは高度経済成長期(1954年からの20年あまりの間)。それまで大きな邸宅にしかなかったものが一般家庭に広まります。いまではすっかりアイコンとして定着した押しボタンに描かれた八分音符マークもこの当時から。初期の音色はボタンを押している間「ブー」と鳴り続くちょっと無粋な感じでした。その後、各家庭に普及して音もクイズ番組の正解の音みたいな「ピンポン」音になりました。


 さて、ではブザー式呼び鈴が広まる前はいったいどうしていたのでしょう。家々では、玄関先で「ごめんくださーい」や「○○さーん」と声を掛けるのが一般的で、戸や柱などを手でトントンとノックするなどという方法もとられたようです。今でも、呼び鈴を鳴らさずに声をかける、という地域はあるのではないでしょうか。都会ではなかなか見られなくなりましたが、ご近所付き合いが濃く、信頼関係が築けているからこその懐かしい光景ですね。


 家の人はそうした来客のしるしを聞いて玄関先へ向かい、応対するわけですが、家人から返答がない場合、来客はどうしたかといえば、ガラガラと戸を開けて中までお邪魔する、、、なんてこともごく自然なことでした。


呼び鈴の登場や進化をみると、技術で便利になる一方で薄れていった人と人とのふれあいを見ることができるのかもしれません。


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