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  靴箱の上にセキセイインコ? 昭和な玄関とは

靴箱の上にセキセイインコ? 昭和な玄関とは 今回は“昭和な家の玄関”へタイムスリップしてみましょう。忘れてはならないのが、かわいい声でさえずるセキセイインコ。昭和40年代から50年代にかけ、日本でペットブーム、とりわけ小鳥ブームが起こり、飼育する家庭が増えました。中でもセキセイインコは手に乗ったり、お喋りしたりと可愛らしい仕草で人気になりました。しゃべるインコがテレビに登場したりして、言葉を覚えさせようとした人もいるでしょう。 当時、鳥かごは玄関先に置かれるケースが多く、外の音やよく訪ねてくる近所の人の声マネをするインコもいて愛嬌をふりまきました。丈夫で飼育が簡単だったことも人気のひみつだったようです。ちなみに色もチャームポイントのひとつですが、水色は日本で品種改良されて生まれたという説があるそうです。ほかに玄関先に生息した生き物といえば、ホタルやスズムシ、ケースやガラス鉢に入った金魚も多かったようです。


 アイテムでは「平和鳥(へいわどり)」を外すことはできません。やはり昭和40年代半ばころ爆発的な人気を博したおもちゃで、ししおどしのように体を揺らして水を飲む鳥を模した小さなインテリア。赤い帽子をかぶった鳥が飲むコップの水がなくなるまで半永久的に動く、ある種科学おもちゃ的なもの。かなりの家庭で見られ、大変普及しました。 「ジーコ、ジーコ」と特有の音が懐かしいダイヤル式の黒電話も欠かせません。白いレース編みの自作のカバーがしてあったり、受話器を乗せると保留音が流れるゼンマイ式オルゴールがそばにおいてあったりしました。


 ところで、なぜ玄関に電話が置いてあったのでしょうか? まだ電話が普及していなかったころ、電話のないお宅に用件があるときは、近所の電話のあるお宅へ掛けて、その人を呼び出してもらっていました。いくらご近所でも、そのたびごとに居間などに入ってもらうのは面倒ですし、電話をするほうも話がしにくいため、入り口で用が済むよう、玄関先に置くのが通例となったのです。そのなごりで、各家庭に電話が普及しても、長く玄関先に置かれることが多かったのです。


 実家に帰省したら、玄関の昭和なポイントを見つけて楽しむのも面白いかもしれませんね。


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