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  玄関というたとえを集めてみると・・・

玄関というたとえを集めてみると・・・  玄関はいうまでもなく建物の出入り口を指す言葉ですが、それ以外にも慣用的な言い回しにしばしば登場します。辞書を見てみても、いくつかそういった言葉に行き当たります。 まず「玄関を張る」。この表現は、玄関先だけを立派にする、外見を飾る、という意味から転じて、見栄を張ることを表します。


 また、「玄関払い」という言い方も。これは状況としては客を玄関先で帰す様子を示しています。つまり、話しや物事の始まりですぐ終わりにしてしまう様子に使う表現ですが、門前払いという言い方に似ていますね。


 さて、そんなたとえのなかでも、皆さんが一番に思い当たるのは「○○の玄関口」という言葉ではないでしょうか? これは実際にそこに玄関があるわけではないのですが、その土地が、一帯の交通の要衝で、他地域との行き来に避けて通ることができない場所のことを指します。


 日本だけを見ても、各地にいろいろな玄関口があります。2009年に開港150周年を迎えた函館港は、長く北海道の海の玄関口と呼ばれていました。太平洋と日本海を結ぶ津軽海峡に面し、さまざまな航路からのアクセスがしやすい港だったのでしょう。横浜や長崎と並んで日本最初の外国貿易港として開港。以来、多くの船が行き来するようになりました。今は飛行機が移動の主流となっていますから、北海道の玄関口といったら、新千歳空港の方がしっくりくるという方も多いでしょう。


 一方、南に目を転じてみると、福岡県北九州市のJR門司港(もじこう)駅が九州の玄関口と称されていました。鉄道が陸路輸送の主流だったころ、貨物や旅客列車がこの駅を盛んに行き交う様子は、まさしく九州の鉄道の要としてふさわしいものでした。路線の起点でもあり、今もそれを示す「0哩(ゼロマイル)碑」が立っています。 駅舎は当時のヨー
ロッパの建築物のデザインを参考につくられた木造2階建て。左右対称
な造りが特徴のネオ・ルネッサンス様式を採用したものです。1988(昭和63)
年に国の重要文化財に指定され、現在も鹿児島本線の発着駅として、
また当時の面影をよく残す観光地として多くの人に愛されています。


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