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  海外にはない? 夏に涼を呼ぶ日本の玄関グッズ

海外にはない? 夏に涼を呼ぶ日本の玄関グッズ  暑い日本の夏が今年もやってきました。今回は、エネルギーを使わずに日本らしい涼味満点の玄関グッズをご紹介します。


 軒先や玄関先に吊るす風鈴は、音で涼を感じられる身近なアイテム。知ってるよ、とおっしゃるかもしれませんが、最近では色々なデザインが多く出ておりかなり様変わりしています。手に収まるくらいのガラス製のお椀型のものが一般的ですが、軒先に下げるのではなく玄関先の室内に吊るすのがおすすめ。紐の先の紙が風を受けて揺れて涼やかな音を立てます。風がなくては揺れませんが、玄関先に卓上の小さな扇風機を置き、弱く風を送り、時おり鳴るくらいに調整してあげたら、音だけで涼しくなります。ガラスに彩色してあるものもあり、軒先に下げるよりデザインの重要性が増し、立派なインテリアになります。金属製のものにも風情があります。余韻があり、ガラス製よりリーンと長く響きます。スズムシなど虫の声にも似て、涼感を誘います。体感温度が1度でも下がれば得した気分になりますね。


 もう一案は、すだれを取り入れること。玄関ドアを開け、すだれを付けるのです。合わせてベランダ等に通じる窓を開ければ、家の中を風が抜けるようになります。とくに高層階のマンションなどでは蚊などの虫もあまり来ませんので、おすすめです。もし一戸建てなどで虫が気になるという場合は、玄関ドアに付ける網戸などもありますから利用するとよいでしょう。ただ、その場合もすだれを併用すれば日避けや目隠しになりますからおすすめです。その方が視覚的にも涼味を感じられます。


 ちょっとしたインテリアで涼感を呼び込むこともできます。おすすめは金魚鉢です。球体の上部が波打った形の古典的な巾着型が有名ですが、これは朝顔の花を基にデザインしたものだそう。そんな鉢の水の中で金魚がゆらゆらと水草の合間を泳ぐさまは涼やかで、癒しを感じますよね。ずっと観ていても飽きません。水や魚を入れないで、観葉植物やガラス玉、ビーズなど清涼感のあるものを入れてインテリアとするのも手ですね。


 最後に、今年のトレンド、「緑のカーテン」。外壁の日射を遮り、建物内の温度の上昇を抑制してくれるため、家庭だけでなく、学校や公的機関でも取り入れる例が増えています。使う植物は葉が多く、つるが延びる朝顔やゴーヤなどの植物。これらをネットに這わせてカーテンにします。玄関先や窓の近くに置くと、日射しをカットするだけでなく、植物からの水分の蒸散で気化熱を奪い、温度の下がった空気を室内に運んでくれます。


 気づけばどれも日本ならではの気候を活かした昔からの工夫ばかり。50年ほど前までの、エネルギーを上手に使ってやっていた頃に思いを致せば、もっといいヒントがあるかもしれません。


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